<業界誌を手掛けるなら>

 今回は、みみさんが進路の掲示板で質問してくれたことに答えたいと思います。
 将来みみさんが編集者として手掛けたいと考えているのは、いわゆる業界誌っぽい雑誌のことなのかな、と思います。 なので、「きゃらびぃ」編集部に限らず、業界誌の編集全般に言えることをまずはお答えしますね。

■業界に関する知識とそれ以外の知識

 業界誌を手掛けるなら、当然その業界に関する深い知識と興味が必要です ( 「きゃらびぃ」 なら、アニメ・ゲーム・コミック・声優業界についてはもちろん、流通のこと、経済のこと、エンターテイメント全般のことetc…と色々な知識が必要です)。
 それに加えて、その業界とは一見関係のない分野での知識や興味も必要になります。なんだか矛盾しているような話ですが、1つの事を掘り下げるには、様々な角度でその事を見たり、考えたり、比較したりしなければなりません。そのために、 『関連する業界のことだけに詳しければそれでいい!』 というわけにはいかないんです。


■情報力

 みみさんの書き込みにあるように、商品のリリース情報や、売れ筋商品のランキングを分析をするなら、確かな 「情報力」 が必要です。

・情報収集のアンテナを広く張る
・独自の情報ソースを確保する
・情報の重要度を判断する
・手に入れた情報を自分独自の切り口や加工で表現する

 簡潔に書くとこんなカンジなんですが…ちょっとこむずかしいですね。要は 「どこにでもある簡単なネタじゃなくて、でも信頼の置ける出所からの情報で、それがどれだけ読者にとって喜ばれる情報かを判断して、読者にわかりやすく、しかも他にはない形に出来る」 ってことです。観念的な話ですが、このセンスが高い編集者の手掛けた記事は、やっぱりおもしろいのです。



<編集者全般に言えること>

 次に、業界誌に限らず編集者全般で言えることをお答えします。

■就職に有利なバイト

 学生のうちから、あるいはフリーターとして、出版社や業界内でバイトをして就職につなげる人もいます(だからと言って過大な期待は厳禁ですが)。実際の編集作業がよくわかるので、バイトで経験してから編集者になるかどうかを決めても遅くないですしね。


■就職に有利な学部

 個人的な見解を言っちゃうと、これは「特になし」になります。
 が、一般的な事を言えば社会学部のマスコミ科とかになるんでしょうか。専門学校でも、マスコミ系の学科を持つ学校がたくさんありますね。ただ、 『どこそこの学部で学んだから、絶対編集者になれる!』 とは思わないで!


■知識と好奇心

 どの学校・学部で学んだかいう事よりも、何より必要なのは 「知識と好奇心」 !! まず自分が興味を持って取り組まなければ、良い雑誌や情報誌は作れませんね。
  「知識と好奇心」 は誰もが持っているものですが、浅いところで納得していてはダメ。編集者になるなら、これをとことん武器にしないといけません。いろいろなものを見て、感じて、頭と心に栄養を与えなければ!
 流行にも敏感でないと! その流行に乗るかどうかは別として、新たなブームをキャッチするアンテナは持ってないと仕事にならないよ。


■壮大な夢と現実性のバランス

 うさん臭い広告のような事を言いますが、夢は持っていないと始まりません。夢を持つことは、 “自分はどうしたいのか、どうなりたいのか” というセルフプロデュースにつながります。逆に、常に受動的に考えている人は編集者に向いてないと思います。
 そういった夢や野心を持つ一方で、現実的で地に足の着いた考え方も必要です。整理上手、要領の良さ、人との約束は絶対守る! といった几帳面さはかなり問われます。


■コミュニケーション力と行動力

 編集はチームワークが重要です。編集部内での連携はもちろん、ライターやデザイナーとの共同作業、取材先や情報元とのやりとりetc…独りよがりのコミュニケーションでは成り立たない仕事です。てきぱき喋って、てきぱき行動出来て…という人でなければ、締切ありきの雑誌を手掛けるのは難しいと思います。


■責任感

 編集は情報を扱う仕事なので、責任感の強い人でなくては絶対にダメ。裏付けのない情報や曖昧な情報でも、雑誌になって世に出てしまうとそれを読者が手に取ります。曖昧なリリース情報を信じて読者がお店に足を運んでしまうかもしれませんし、裏付けのないオススメ情報で読者の期待を裏切るかもしれません。「責任が持てない情報は載せない」。これは編集者として最低限のモラルです。


■体力と健康管理

  「締切前は3日徹夜だー!」 とか 「もう何日も家に帰ってねぇよ!」 とか、雑誌の編集者にはこういうイメージが付きがちですが──程度の差はあれ、これは本当の話です。いわゆる修羅場を乗り切るには体力も必要です。
 しかし、そういう火事場のクソ力的な体力より、普段のコンディション調整がキチッとできるかどうかの方が重要だったりします。日々の健康管理ができる人は、それだけで誉めてあげたいくらいです。編集はチーム作業ですから、例えば自分が風邪をひくと、そこで欠ける穴を他スタッフに埋めてもらわなければなりません。誰かに風邪をうつすかもしれませんし。
 なにより、健康でないと健全な発想や良いアイデアが浮かびません。



 最後にオススメするのは、今すぐにでも自分で何か作ってみることです。ものづくりをするのに、わざわざ就職するまで待つ必要はありません。取り上げたいネタや世間にアピールしたい事があるなら、ミニコミ誌とか、あるいは学級新聞でもいいと思います。実際に作ってみてほしいです。そうすれば、いろいろ見えてきますよ。
  (そうやって作ったものは、就職活動で自分をアピールする材料になります)



●モドル●


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